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ひと手間加えたデザインで

芳醇な建築空間と人々の関係性を創り出す。

 

熊本大学横にリノベーションを施し、装いを新たにした文房具店があった。

カフェのような雰囲気を持つその場所に置かれた什器は、既製品のものという印象が強い。

卸売業においてその主役は、やはり商品であるのかもしれない。

このお店でも什器の存在は溢れ出す文房具によって輪郭を失い、竣工後すぐのカフェのような雰囲気もどこか薄れてしまったように感じる。

何気ない什器の備えが建築空間における雰囲気を形成するものであることをこの場所でまじまじと見せられたのである。

そんな文房具店にひと手間加えたデザインを施すことで空間の持つ雰囲気を呼び起こす什器を提案する。

何気ない什器にひと手間加えるだけで、そっと主役である商品とそれを取り巻く空間を引き立てるような存在となるようなデザインを目指した。

この什器はシンプルな形態美と手触りの良い木により作られている。

背板を必要としない30mmの厚い板材による構成は什器を通して方向性を強調し、さねを用いることによって棚板を引き出すことを可能としている。

このひと手間は単にレールを取り付けることでは得難い雰囲気を醸し出すものとなると考えている。

このようにいくつもの手間が相互に作用することで熟成していくデザインとなっている。

什器の存在は空間への輪郭線を強調し、分散して配置された背板のない構造は色々な方向へと意識を拡散しながら回遊性をもたらす。

そして背板がないことでどちらの方向へも引き出すことができる棚板は陳列においてフレキシビリティを獲得している。

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